水曜日の彼女


「俺が実母にアパートから追い出された日に…あの公園に行ったんだ。

今までの15年間の事とか、父さん母さん弟達の事、そして…アイツの事が頭の中でグチャグチャになって…涙を流した…と思う。

多分この時、玲菜に見られてたんだよ。

その後、栄養不足と疲れで、あの公園で倒れた所を、遼が見つけて救急車で病院に連れてってくれたんだ。」



その後に実母とのイザコザで、お母さんの足に今でも後遺症が残っているのだそうだ。



「俺…その時から家族と遼しか信用できなくなったんだ。

他の人も信用してみれば良かったのかもしれないけど、信じて裏切られるのが恐くて…。」



森山くんの顔が切なげに歪む。


そんな森山くんの顔を見て、私の中にある疑問が浮かんだ。



「でも…信じて裏切られるのが恐いって言う事と、曜日ごとの彼女を作ることって関係あるの?」



私がそう聞くと、森山くんは小さな声で溜め息をついた。



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