水曜日の彼女


捻くれてたな…俺…。

と朝陽が自嘲気味に笑う。そして更に話し出した。




「小さい時は、父さんや母さんから良く抱き締められたり、頭を撫でられたりしてたんだ。

どこかに行く時は、必ず手を繋いでくれてた。

でも…小学校の高学年にもなると、そんな事が恥ずかしくなってきてさ…。

そしたら今度は『一番下の弟と手を繋いでね♡』って言われ始めて、一番下の弟を真ん中にして、三兄弟で手を繋ぐんだよ。

その時は、何でだよっって思ってたけど…今思うと、父さんと母さんは、そうやって


【人と繋がること】


【心を繋げること】


その温かさを教えたかったのかもしれないな…。」



朝陽の思いがけない言葉に、嬉しいような切ないような気持ちが沸きあがってきた。



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