水曜日の彼女
廊下に出ると、俺の顔を見て、千葉凛人が今は使われていない空き教室の中に俺を促した。
空き教室に入ると、俺の顔を睨みつけて
「お前…玲菜と付き合ってるって本当かよ?」
と千葉が言った。
「…………本当。」
そう答える俺の顔から視線を逸らし、はぁっと深く溜め息をつく。
「何で玲菜なわけ?
お前なら、他にも沢山女居るだろ?」
千葉が眉間にシワを寄せて俺に聞いてきた。
「言ってる意味が分かんねぇ。
何でお前にそんな事言われなきゃなんねぇの?」
千葉の言葉にイライラして、少し荒げた声を出した。
「俺は…中学生の時から玲菜の事を見てきたんだ。
玲菜がお前の事を好きな事くらい知ってる。
俺はアイツの事なら何でも知ってる。
お前なんかよりもずっと……。」
千葉が何を言いたいのかが、分からない…。