水曜日の彼女
空き教室を出ると、俺は自分の教室には戻らず、玲菜のクラスへと足を運んでいた。
このイライラが何なのか分からない。
無性に玲菜に会いたかった。
ガラッと玲菜の教室のドアを開けると、一斉に俺の方へ視線が集まる。
「森山くんだっっ!!」
口々にそう言っている声が聞こえてくる。
でも…そんな事も無視して、玲菜の姿を探すと、窓際の席に座る玲菜と友達の姿を発見した。
俺の姿を見て、すっかり固まっている玲菜の近くに歩み寄り、玲菜の腕を掴んで立ち上がらせると、
みんなが見ている事も忘れて…その小さい身体をギュッと抱きしめた。
「~~~~~っっ!!朝陽っっ!!」
玲菜が俺の腕の中で狼狽えているのが分かるが、そんな事どうでも良い…。