水曜日の彼女
旧図書室へ着くなり、窓際の床に2人で座り込み、玲菜の小さい身体をガッチリ固めるようにキツく抱きしめた。
「朝陽……どうしたの?何かあった?」
心配そうに、俺の瞳を覗き込む玲菜。
「・・・・・・・・・。」
俺が何も言えないでいると、玲菜がソッと俺の背中に手をまわした。
今朝…玲奈と一緒に登校して、
それが…思いの外、楽しくて、2人の時間が心地よくて、穏やかな気持ちになれた。
でも……
千葉の存在が、俺の心を大きく乱した。
俺がどんなに玲菜を想っていても、離さないと思っても
玲菜が離れて行ったら?
こんな捻くれた俺よりも、純粋に自分の事を想ってくれる
千葉のような奴に…玲菜が心惹かれたとしたら?