水曜日の彼女
一度そう考えだしたら、もう…止めることは出来なくて…不安で堪らなくなる。
俺が大事だと思う人は…俺の元から去って行くんじゃないか…。
亜紀がそうだったように…。
「朝陽。大丈夫?」
「……うん。ごめん。」
玲菜の優しい声と、背中を抱きしめる優しい温もりに、
俺も素直にそう言うことが出来た。
「玲菜…何があっても俺から離れない?」
俺の弱気な発言に、玲菜が驚いたように目を丸くする。
そして…クスッと笑って
「離れないよ。絶対に。
朝陽が思ってるよりも、私は…朝陽の事が好きだから。」
そう言ったんだ。
その声色に心底安心して、また更に強く玲菜を抱きしめた。