水曜日の彼女
ドアが開く音に気づいた玲菜の身体がビクッと揺れた。
2人同時にドアの方を見ると、
「凛人……。」
と玲菜が小さな声で名前を呼ぶ。
それでもまだ…玲菜を抱きしめて離さない森山の元に近づき、話しかけた。
「森山……。
お前…玲菜の事…ちゃんと好きなの?」
「・・・・・・・。」
返事も何もしないで、玲菜の身体を更に強く抱き締める森山。
森山の返事の代わりに、玲菜が俺に食って掛かる。
「私が誰と付き合おうが、凛人には関係ないじゃない…。私が朝陽と一緒に居たかったの。
私が…朝陽と付き合うことを決めたの。」
玲菜の言葉が…俺の胸を押しつぶしそうになる…。