水曜日の彼女
「分かった。玲菜とは…ちゃんと友達として接するから。
でも…玲菜を泣かせたら、ただじゃおかねぇからな。」
「分かった。」
「ありがとう…凛人。」
2人の言葉を聞くと、俺はスッと立ち上がった。
自分の好きな人が、本当に好きな人と両想いになれる。
それで良いだろ…?
俺の初恋は呆気なく散ってしまったけど、引き換えに、大好きな人の笑顔が見れたんだから…それでいい…。
2人に背を向けて
「もう昼休み終わるぞ。俺は先に戻ってるから、2人とも急げよ。」
そう言った。
図書室のドアを後ろ手で閉めると同時に、今まで堪えていた雫が…頬を伝って流れ落ちる。
「だせぇ~な…男が泣くなんて…。」
そう呟くと、右手で乱暴に涙を拭う。
泣くのは今日だけだ。
明日からは…玲菜の恋を応援する。
大好きな人への想いを…全力で過去に変えて行く……。