水曜日の彼女
家の近くの最寄り駅で降り、朝陽と歩きながら森山家に向かう。
「ここ…俺んち…。」
指を差された家は、門構えがお寺のように立派な純和風のお屋敷だ。
表札を見ると【森山】と書かれている。
「ここ朝陽の家だったのっっ!?」
「うん。」
「めちゃくちゃ近い!!私の家から、こんなに近い場所に住んでたの!?」
「うん。」
そう…朝陽の家と私の家は、あの公園を挟んで5分も掛からない場所にある。
小さいころから、このお屋敷にはどんな人が住んでいるのだろう…と思っていたくらい目の前を良く通っていた。
「もう良いから、中…入るよ。」
朝陽がそう言うと、私の手を引き、門をくぐった。