水曜日の彼女


朝陽が買い物に行った後、お母さんが私の方を向いて、真剣な顔で口を開いた。



「玲菜ちゃん……朝陽から、昔の話…聞いた?」




昔の話……きっと……本当のお母さんのこと…だよね?




「はい…。

中学3年の時に、実母と一緒に住んで…そして…捨てられた…と。

平気なフリしてるけど、朝陽はいまだに苦しんでいます。」




私が言うと、朝陽のお母さん…瞳さんは切なげに顔を歪めた。




「朝陽の父親と、実母の離婚の原因…は知ってる?」



「詳しくは知りません。」



「元々ね…私、朝陽の父親と朝陽の実母…亜紀さんの離婚調停を担当した弁護士だったの。」



それからポツリポツリと瞳さんが、語りだした。



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