水曜日の彼女


そこまで言うと、瞳さんの目に涙が滲んだ。



「朝陽も博斗も…その頃…母親とその彼氏に暴力をふるわれていた事なんて覚えていなくて…忘れている記憶なら、その方が良いと思ったの…。

私も…朝陽の父親も…。


でも…その時、しっかり話さなかったから…結果的に、朝陽の心にポッカリと穴をあけてしまう結果になったのかもしれない。」




そして…更に話を続ける。




「私…DVや虐待やレイプなんかの事件をおもに担当しているんだけど、その後の心のケアに力を入れてる…。

だから…朝陽の父親と、亜紀さんが離婚した後、子どもたちの心のケアをしていた。



そして…子どもたちの事を、とても大切に思っている今の夫…朝陽達の父親に純粋に惹かれたの。

結婚と妊娠の順序が逆だったから、朝陽も博斗も傷つけてしまったと思う…でも…夫も子供たちも、とても大切に想っているのは本当よ。」




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