水曜日の彼女
瞳さんの涙を見て…私は…言わずには居られなかった。
「瞳さん……。
私…朝陽の話を聞いて居て、捻くれている部分も、もちろんあるんですけど、とても家族を大切に想って居ることが伝わってくるんです。
お父さんとお母さんが、3人平等に惜しみなく愛情を注いでくれたから…
だから…
朝陽は家族のことが、とても大切で大好きなんです。
いまだに心にポッカリあいた穴に苦しんでいる事は事実。
だからこそ…私も瞳さんや鴻上梨花さんのように、心のケアが出来る弁護士になりたい…。」
私がそう言うと、瞳さんはニッコリと微笑んだ。
「本当に朝陽は素敵な女性を好きになったのね。女の子を見る目あるわ。
玲菜ちゃんが憧れている鴻上梨花ちゃん。
彼女がモデルを引退した後、大学に通いながら私の弁護士事務所でアルバイトをしてたのよ。
玲菜ちゃん…。死ぬ気で勉強して大学に受かりなさい!
玲菜ちゃんが合格したら、私の事務所でアルバイトしながら勉強すればいいわ。
そして…朝陽の心の穴を埋めてあげて……。」