水曜日の彼女
**受験と卒業**
~~玲菜side~~
毎日一緒の登下校と、球技大会の時の凛人への言葉…。
【玲菜は俺のものだ】
という俺様発言をした朝陽のお陰で…その後はすっかり公認のカップルになってしまった私たち。
球技大会の時、あの言葉を言ってしまってから、フッと我に返ったように真っ赤になって頭を抱え込んでいた朝陽の姿を見て、凛人がゲラゲラ笑っていた。
「お前って冷めた奴だと思ってたら、結構アツイ男だったんだなぁ~。
俺…嫌いじゃないや。」
なんて言うものだから、ますます膨れっ面になった朝陽。
その姿を見て、更に凛人が可笑しそうにお腹を抱えて笑い…そして…木村くんも加わって朝陽をからかっていた。
その光景を見ていた私の元に、二人から逃れるように朝陽が駆け寄ってきた。
「玲菜…ごめん…。」
と謝る朝陽。
何に対する謝罪なわけ??
「私は朝陽があぁ言ってくれて嬉しかったよ。」
そう言うと…違う…とでも言うように、朝陽は首を横に振った。
「玲菜は【物】じゃないのに…【俺の彼女だ】が正解だった…。」
その言葉が可愛くて…嬉しくて…
みんなが見ている事も構わず、その場で朝陽を抱きしめた。
そして……時間は流れ……
年も明け、1月の中旬になっていた。