水曜日の彼女
すっかり梅雨入りした6月のある日。
「玲菜ちゃん…。
今度の土曜日…時間あるかしら…?
ちょっと一緒に出掛けたい所があるんだけど……。」
相変わらず表情の硬いままの瞳さんからの誘い。
「土曜日は朝陽と約束しているんです。
朝陽とは一緒じゃない方がいいですか??」
私がそう尋ねると…
「朝陽は…居ない方が良いわ…。
私からも朝陽に言っておく。
ゴメンね…せっかくのデートだったのに。」
瞳さんが心底申し訳なさそうな顔になる。
「朝陽とは、いつでも会えますから…。
それに朝陽も、瞳さんと私が仲良くしていると喜びますし…。」
そう言ってニッコリ微笑むと、瞳さんも笑顔で頷いてくれた。