水曜日の彼女
『これ……どうしたのよ…?
亜紀さん…あなた…もしかして……。』
と確認しようとしたら…
『いやぁーーーーっっ!!』
…と拒絶された反応で、私は階段から落ちてしまった。
私はその時…意識を失ってしまったから…その痣に関しては有耶無耶になってしまった。
でも…その時…朝陽は亜紀さんを捨てた。
【二度と俺の前に現れるな】
という言葉を残して…。
どんな想いで、朝陽はこの言葉を口にしたのだろう…。
この時の朝陽の想いを想像するだけで、心が押しつぶされそうになる。
車が病院の駐車場に着く。
「さぁ着いたわ。」
そう言うと、玲菜ちゃんが言った。
「瞳さん……私をここに連れてきたっていう事は…
朝陽を…亜紀さんに会わせたいんですね…?」
そう…。
今まで朝陽の心の穴を見ないふりしてきた。
でも…今度こそ…きちんと向き合って…
朝陽の心の穴を埋めてあげたい。
そして……亜紀さんの心の穴も……。