水曜日の彼女
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亜紀さんの瞳がゆっくり私の姿を捉えると、
「あなたは………?」
と弱々しい声で呟いた。
「私……加藤玲菜と言います。
今…瞳さんの弁護士事務所でアルバイトをさせて貰っていて………。」
そこまで言うと、それ以上言葉が詰まって出てこない。
朝陽の事は言ってもいいのだろうか…。
それとも言わない方が良いのだろうか……。
私の考えを察したのか…瞳さんが代わりに口を開く。
「亜紀さん。玲菜ちゃんはね…朝陽の彼女なの。」
「え………?」
瞳さんの言葉に亜紀さんが驚いたように目を見開き、そして……
「朝陽はやっと……恋愛することが出来たのね……。」
と亜紀さんが柔らかい声で言った。
そして…亜紀さんの目に涙が滲んだ。