水曜日の彼女
そして…亜紀さんは私に向かって微笑んだ。
「玲菜ちゃん…朝陽は玲菜ちゃんの前ではどんな子なの?
優しくしてくれる?
ちゃんと……愛情を返してあげているかしら…。
……私が…朝陽の心を傷つけてしまったから……。」
そこまで言うと、亜紀さんはグッと言葉を飲み込んだ。
朝陽から聞いていた亜紀さんのイメージは…正直いうと
【酷い母親】
その一言だった。
でも…こうやって話していると…【酷い母親】というイメージは全く無くて…
むしろ…子どもを心から心配している母親にしか見えない。
「亜紀さん…。
朝陽は………。」
そこまで言いかけて、口をつぐんだ。
私がこれを語るべきではない……。
「……朝陽に直接聞いてください。」
そう言って、亜紀さんを見つめた。