水曜日の彼女


振り返ると…そこには…


「…………圭佑…。」


懐かしい彼が立っていた。




別れて4年…。


結婚して4年…。




4年ぶりに見る彼は、育児に疲れ切った私の心に波風を立てる。



「亜紀。相変わらず美人だな。

元気にしてるの?」



ダメ…そんな優しい声を掛けないで…。



「うん…。元気よ。圭佑は?」


「亜紀から振られてからずっと…元気なわけないじゃないか。」



やめて…


やめて…



「・・・・・・・。」



「冗談だよ。

亜紀……お前……今…幸せ?」



「……う…ん…。幸せよ。」




無理矢理微笑もうとすると、圭佑にソッと頭を撫でられた。



「お前…相変わらず…ウソが下手だな。」



そう言って…4年ぶりに大好きな笑顔を見たんだ。



< 232 / 375 >

この作品をシェア

pagetop