水曜日の彼女
すると…瞳さんが私の背中をポンポンと優しく叩きながら、
「大丈夫。玲菜ちゃんが、あぁ言ってくれたから、亜紀さんは救われたのよ。
亜紀さんの過去を聞いて、
【辛かったね】
【そんな理由なら仕方ない】
【大丈夫】
【あなたは間違っていない】
シェルターに逃げてきてから、そんな上辺だけの言葉は…腐るほど聞いてきたと思うわ。
でも、きっとその言葉を聞いて【しょうがない】という思いと、拭いきれない罪悪感が交差して、苦しんできたのも事実だと思う。
だから…玲菜ちゃんが正面から亜紀さんに怒って【朝陽と博斗に許して貰えるまで謝って】と言ってくれたことで、逆に亜紀さんには救いになった部分もあるはずよ。
ねっ?だから…玲菜ちゃんは…そんなに落ち込まなくていいの。
それよりも大変なのは、今からよ。
あの二人をどうやって亜紀さんに会わせるか…。
それを私と二人で考えましょう。」
そう言って私の頭を撫でてくれた。
そうだ…泣いてる暇なんてない。
亜紀さんの時間は、限られているのだから……。