水曜日の彼女
取り返しのつかない事をしてしまった…。
朝陽の頬を叩いてしまった右手を見つめながら
「痛いな……。」
と呟いた。
でも…叩かれた朝陽の心は………。
亜紀さんに言った言葉と言い、朝陽にしてしまった事と言い、どうして私はこんなに感情で動いてしまうの?
もう…本当に自分が嫌だ。
朝陽のベッドにそのままうつ伏せになり、声を押し殺して泣いた。
ごめん朝陽。
ごめんなさい。
でも…何で私が泣くのよ…。
辛いのは朝陽の方なのに…。
泣きたいのは、きっと朝陽の方だ。
それに、きっと…私…朝陽の心の穴を広げてしまった…。
すると…ガチャリとドアが開く音がした。