水曜日の彼女
なぜデコピンされたのか…理由も分からなくて、流れていた涙も一気に止まった。
「玲菜さん!もうグチグチうるさいよっ!!」
いつも穏やかな優しい博斗くんから、想像も出来ないほど怒った様子に、思わず目を見開く。
「自分が朝陽を叩いたから、朝陽の心の穴が広がった?
亜紀さんと会わせようとしたから、俺も兄ちゃんも傷ついた??
何それ?
玲菜さんは、何のために、そういう行動に出ようと思ったの?
考えて考えて俺と、兄ちゃんと、亜紀さんの為にそうしようと思ったんだろ?会わせようと思ったんだろ?
だったら…
伝わるまで、それを兄ちゃんに伝えろよ。
叩いたことが間違いだったって後悔するくらいなら、謝りに行けば?
そしてその後悔を、今からの行動に生かせば?
大きい、小さい…色々あるけど、一度も間違えることが無い人間なんて居ないよ。
だから…間違えたと思ったら、それを挽回すればいいんだよ。
こんな所で泣いてる暇があったら、朝陽を追いかけろっっ!!」