水曜日の彼女


木村くんとは、大学もゼミも同じという事もあって、すぐに仲良くなった。


高校の時は学生寮に入っていた木村くんは、大学に進学してからは1人暮らしをしている。


レポートを仕上げるために、何度もゼミの仲間で集まったりしていたので、家も知っている。




ピンポーン



木村くんの家のチャイムを鳴らすと、不機嫌な様子の木村くんがドアを開けた。




「マジで何なの?二人とも…。

俺を痴話げんかに巻き込まないでくれない?」



「……それは…ごめん。


ねぇ上がっていい?朝陽と話をさせて?」




そう言うと、木村くんがゆっくりと首を横に振る。




「ごめん…。今の朝陽には会わせられない。

それに…本人もそれを望んでる。」




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