水曜日の彼女
電車を降り、アパートまでの道のりを下を向きながらトボトボと歩く。
すると……
「玲菜さんっっ!」
目の前から、よく知った声が聞こえた。
ガバッと顔を上げると…そこには……
「博斗くん……。」
朝陽とそっくりな博斗くんが立っていた。
「今から遼さんのアパートに行くの?」
「………うん。」
私の言葉に少し考え込むようにして、そして何か思いついたようにパッと明るく微笑む。
「玲菜さん。今日は遼さんのアパートに行くのは、やめておいて!?」
「え?何で?」
「俺ね…今日兄ちゃんに話したんだよ。亜紀さんのこと…。
それで…明日俺は病院に行く。
出来れば兄ちゃんも連れて行こうと思う。
兄ちゃんには、行くか行かないかは今日中に決めておいてって言ってきたけど、引きずってでも連れて行くつもり♡」
引きずってでも……っっ!?