水曜日の彼女


電車を降り、アパートまでの道のりを下を向きながらトボトボと歩く。



すると……



「玲菜さんっっ!」



目の前から、よく知った声が聞こえた。

ガバッと顔を上げると…そこには……



「博斗くん……。」



朝陽とそっくりな博斗くんが立っていた。



「今から遼さんのアパートに行くの?」



「………うん。」




私の言葉に少し考え込むようにして、そして何か思いついたようにパッと明るく微笑む。




「玲菜さん。今日は遼さんのアパートに行くのは、やめておいて!?」



「え?何で?」



「俺ね…今日兄ちゃんに話したんだよ。亜紀さんのこと…。

それで…明日俺は病院に行く。

出来れば兄ちゃんも連れて行こうと思う。



兄ちゃんには、行くか行かないかは今日中に決めておいてって言ってきたけど、引きずってでも連れて行くつもり♡」




引きずってでも……っっ!?







< 287 / 375 >

この作品をシェア

pagetop