水曜日の彼女
俺達の目の前に立つと、俺と博斗の顔を交互に見る。
そして…深々と頭を下げた。
「朝陽。博斗。
本当にごめんなさい。
あなた達の事が何よりも大切だったのに…自分の辛さに負けて、その手を離してしまった。
許してもらえるとは思ってない。
でも……
最期に顔を合わせて、私に謝る機会を与えてくれて、ありがとう。
二人の成長した姿を見せてくれて…本当にありがとう。」
その痩せ細った身体で、何度も頭を下げる亜紀を見て…博斗が亜紀の手を取る。
「亜紀さん…。
俺は兄ちゃんや母さんの事ばかり考えて、亜紀さんの想いを考えてあげられなかった。
途中で行かなくなったのも、母さんのためだった。
でもね…俺が公園に行かなくなったことで、どれだけ亜紀さんを傷つけたんだろうって考えたら、後になって凄く後悔したよ。
亜紀さん…ごめん。ごめんなさい…。」
博斗が頭を下げる姿を見て、亜紀が慌てて博斗の前にしゃがみ込む。