水曜日の彼女
目の前で亜紀が切なそうに顔を歪めた。
でも…俺は更に言葉を続ける。
「でもね…どんな酷い親だったとしても……
今の母さん…瞳さんを凄く大切に思っていても、亜紀さんが産みの母という事実は変わらないんだ。
中学3年の時、アパートを出て家に帰ってから、今の家族を本当に大切にしてきた。
家族も…俺の事を凄く大切に想ってくれてると思う。
今の家族が大事だ…と思えば思うほど、亜紀さんに対する憎しみは増すばかりだった。
でも……どんなに憎んでも………
本当は………
ずっとずっと……
あなたに会いたかったんだ……。」