水曜日の彼女


亜紀を抱きしめたまま…公園内をグルッと見渡す…。



あのブランコに乗って博斗と二人…どっちが高く漕げるかを競争した。

途中で…亜紀が博斗の背中を押して、加勢したから…俺がいじけたんだっけ?



あのジャングルジムのてっぺんから俺が落ちて、亜紀が慌てて駆け寄ってきて…中々泣き止まない俺をギュッて抱きしめてくれたっけ?



あの鉄棒で逆上がりの練習をしていて、博斗が出来るようになるまで、ずっと応援してたんだっけ?



そして…あの芝生にお弁当を広げて三人で食べた……。




「……っっっ!!」




芝生の方を眺めると、木の陰からこちらを眺めている人物を見つけた。





あそこに居るのは……





玲菜っっ!!!



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