水曜日の彼女
あぁ……そうか……。
この公園で亜紀と再会させようと考えたのは…きっと玲菜だ。
辛い思い出しか残っていないと言った【この公園の記憶】を、優しいものへと変えるために…。
15歳まで、毎月1回この公園で亜紀と会っていたことを知っている玲菜。
きっと辛い記憶ばかりでは無かっただろうと考えたのだろう…。
玲菜が俺を叩く前…俺は…何て言ったんだっけ?
『アイツが生きていようが、死のうが…俺には関係ない』
そう…言おうとしたんだ。
最悪だな…俺…。
自分が言ったことを差し置いて…玲菜が叩いたことだけを責めた。
玲菜は絶対的に俺の味方だと思っていたから、裏切られた様な気持ちになったんだ。
遼が言っていた。
『間違ってるときは【間違ってる】って遠慮なく言うよ。』
玲菜は…俺が間違っている言葉を言おうとしたから…叩いた…。