水曜日の彼女
**穏やかな想い**
~~朝陽side~~
あの公園を出ると、亜紀の入院している病院へ俺たちも向かった。
まだ少しぎこちないけれど…きちんと亜紀と向き合えたから、もう大丈夫。
最期を見届ける覚悟も、同時に出来た……。
病室に入ると…そこには1人の男性が椅子に腰かけていた。
その姿を見て、亜紀が小さく声を漏らす。
「………兄さ…ん…。」
その声に男性が振り返る。
そして…スッと椅子から立ち上がった。
「亜紀…。」
「何で…兄さんがここに居るの?」
「……瞳さんに…聞いたんだ。
お前の病気のこと…教えてくれた。
亜紀……ずっと1人にして…ごめん。
親に逆らえない…弱い兄でごめん。
たった1人の兄妹だ…遅いかもしれないけど傍に居るから…安心して…。」