水曜日の彼女


母さんの顔を覗き込み、俺の腰に回されていた手を握った。



「朝陽…どうした?」


「母さん……この前は……俺達の事を考えて亜紀さんのこと…教えようとしてくれていたのに…、話も聞かないで家を飛び出してゴメン…。」



俺がそう言って、母さんに頭を下げると…母さんはニッコリ微笑んで抱きしめてくれた。



「朝陽がああいう状態になることくらい…予想出来ていたわよ。

何年…朝陽達の親やってると思ってるの?

だからね…何が起こっても、守っていける自信がある。

捻くれても大丈夫よ。

どれだけ時間が掛かっても…みんなの力を借りてでも、愛情を注いで…また素直にさせてみせるわ♡」




凄いな…。


俺が感心していると…母さんが話を続ける。




「でもね…朝陽も博斗も…

もともと…亜紀さんがシッカリ色々な事を教えてくれていたから、今があるの。

私は亜紀さんが育ててくれた朝陽と博斗の心…それを元にして、脚色していっただけよ!」



本当に……この考え……。


俺は一生母さんには頭があがらないだろう…。




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