水曜日の彼女


屋上に置いてあるベンチに腰かけ、空を仰いだ。


夕日の沈んでいく…この時間帯の空は…赤紫色に空が染まり…俺のこの切ない想いを更に沈めていく。


この3か月間…俺は…親孝行出来ていたのかな…。




すると…屋上のドアが開く音がした。




慌ててドアの方を見ると…そこには…白衣を着た男性が立っていた。



この病院の医師だろうか…。



その医師は白衣に片手を突っ込み、俺の近くに歩いてくると、俺の隣にあるベンチに腰かけ、缶コーヒーを開ける。




「ここ…一般の人は立入禁止だから、見つからないように下りなよ…。」



その医師は俺の顔を見て、ニッコリ微笑む。



「えっっ?ここって立入禁止だったんですか!?

知らないで……すみません……。」



俺が慌ててそう言うと、



「大丈夫大丈夫!

俺が言わなきゃバレないから。」




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