水曜日の彼女

「俺は…ある程度…君とは無関係だから、話せるんだと思うよ。

君と近い人に不安な気持ちを漏らしたら…周りにも不安って連鎖していくから…。


君は…それが分かってるんだよ。」




そう言って医師は優しく微笑む。



「不安なら…言ってくれていいよ。

何も出来なくても…話を聞くことは出来る。」



その言葉に、今まで堪えていた涙が止めどなく流れた…。



「俺…訳あって…今まで実母と一緒に過ごしてこなかったんです。

余命があと僅かだと言われても…会おうとも思わなかった。


俺の家族や…大切な人達は…俺に後悔して欲しくないからって…会わせようとしてくれたのに、はじめは全く話しを聞かなかった。



もっと早く実母と向き合っていたら…っていう後悔と…


大切な人の言葉を拒絶した後悔と…色々な後悔が入り混じって…どうしたらいいか…分からないんです…。」