水曜日の彼女



「人は…死が近づくと、

『あの時の自分の行動が間違っていたから、こうなる運命だったんだ』とか考えるんだ。

周りの人も一緒。



でもね…【運命】って何?

じゃあ病気になったり事故に遭ったりしたら…それは全部【運命】のせいなの?


じゃあ……医者って何??

その人に与えられた運命がそれぞれにあるなら、医者は必要ないよな。

どちらかと言うと、医者は運命に逆らう職業だ。



でも医者は神様じゃない……。

だから救いたくても救えない命も沢山ある。



俺も救えなくて…何度も何度も悔いた。



でも……運命なんて言葉…俺に言わせて貰ったら


【くそくらえ】だ!!


君が言うように、本当にそんな運命というものがあるとしたら、

俺は……その運命に抗って抗って…そんな運命なんてブチ壊してやるよ。

助けることが出来る命は全力で助ける。


それが医者の仕事だ!」




力強い言葉に、俺の心は穏やかなものに変わっていった。




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