水曜日の彼女
私がそう考えていると…私の後ろのドアがスッと開き、寄りかかっていた私は後ろに倒れそうになる。
でも……倒れそうになる私の身体は、ギュッと逞しい腕に寄って支えられた。
振り返らなくても分かる…。
この腕が誰のものなのか…。
そして……
「玲菜……。」
と…久しぶりに聞く朝陽の柔らかい声が、静まり返ったホールに響き渡った。
そして…後ろから抱きしめたまま…朝陽が優しい声で言った。
「玲菜……今まで…見守っていてくれて…ありがとう。」