水曜日の彼女


~~朝陽side~~


慌ただしく葬式も終わり…、亜紀のお兄さんがお骨を抱いて家に帰っていった。


その後…初七日を迎えた日。


亜紀の実家に俺と博斗は来ていた。


そして亜紀のお兄さんが、椅子に座った俺と博斗の前に、ワンボックスのミニカーを差し出した。




「これ…亜紀からのプレゼントだよ。


最後の……。」




「「え??」」




俺と博斗の驚いた様子を見て、お兄さんが静かに話し出した。



「俺も亜紀と、子どもの頃の昔話をしたんだ。

2人で励まし合ったり、慰め合ったり…そんな話ばっかりだったよ……。

でもね…亜紀が死を迎える10日程前に、このミニカーを買ってきてって頼まれたんだ。」




そう言って、目の前に置かれたミニカーを手に取る。



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