水曜日の彼女


「同性の兄弟って、そんなものなんだ。」


俺の言葉に亜紀がニッコリと微笑む。



「そんなもんだよ。

朝陽も博斗も1つしかないものを、よく取り合いしてたし…。」



そして…優しい顔で俺の方を見た。



「朝陽や博斗に会えた…話せた…笑顔が見れた。

そればかりか朝陽の未来の奥さんも見れた。


……そして……兄さんにも会えた。



何もかも諦めていたのに…。

やり直すことが出来て…幸せな気持ちを与えて貰った。


ありがとう。






あと僅かな命だけど、この生命が与えられたものだと考えたら…


この生命で出来ることは、今、この時にしておこうと思ったの。


思いつくことは全部しておこうって…。」




そう言ってミニカーを両手で…胸の位置まで持ってくると、そっと抱きしめた。




.*.*.*.*.*.*.*.*.*.*.*.*.*.*.*.*.*.*..




< 332 / 375 >

この作品をシェア

pagetop