水曜日の彼女
「同性の兄弟って、そんなものなんだ。」
俺の言葉に亜紀がニッコリと微笑む。
「そんなもんだよ。
朝陽も博斗も1つしかないものを、よく取り合いしてたし…。」
そして…優しい顔で俺の方を見た。
「朝陽や博斗に会えた…話せた…笑顔が見れた。
そればかりか朝陽の未来の奥さんも見れた。
……そして……兄さんにも会えた。
何もかも諦めていたのに…。
やり直すことが出来て…幸せな気持ちを与えて貰った。
ありがとう。
あと僅かな命だけど、この生命が与えられたものだと考えたら…
この生命で出来ることは、今、この時にしておこうと思ったの。
思いつくことは全部しておこうって…。」
そう言ってミニカーを両手で…胸の位置まで持ってくると、そっと抱きしめた。
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