水曜日の彼女
そこまで言うと、玲菜は言葉を詰まらせる…。
玲菜の言いたいことは…何となく分かる……。
きっと…
亜紀と再会して、たくさん話をして、確かに【心を繋げる】ことは出来た。
でも…俺の【心の穴】を埋めれるほどの時間が無かったんじゃないかって心配してるんだろ?
亜紀が亡くなったことで、また俺の【心の穴】が元に戻ったんじゃないかって……。
「俺…玲菜と知り合うまでは、家族と遼にしか【信頼する心】がなかった。
でも…玲菜と付き合って、
人との繋がり…
心を繋げること…
人を信じる気持ち…
大切な色んな気持ちを学んだよ。
今…昔を振り返ると…【水曜日だけの関係だ】って言ってた頃の自分を殴りたいくらい。」
そう言って苦笑する朝陽を見て…私も微笑んだ。
「あの頃は…それでも…嬉しかったよ。
もちろん切ない気持ちはあったけど、フッとした時に見せる朝陽の笑顔とか、優しい行動とか…。
それを知って…ますます好きになったもの…。」