水曜日の彼女


夕方になると、母さんが仕事を終えて家に帰ってきた。



「ただいま~」


「「お帰りなさ~い」」



そんな当たり前に出る言葉にすら、温かい気持ちになる。



母さんがリビングに入ってくると、



「玲菜ちゃん♡いらっしゃい♡」



とニッコリ微笑んだ。



「お邪魔してま~す!」



と玲菜も微笑み返す。


夕飯の材料を買い物袋から冷蔵庫にしまいながら、



「今日は2人とも、ずっと家に居たの?」



と母さんがたずねてきた。



その質問に



「今日…玲菜とあの公園に行ってきたよ。」



そう俺が言うと、母さんの手がピタリと止まった。



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