水曜日の彼女
そして…少しの間の後、
「……そう。」
…と柔らかく微笑んだ。
伝えたい…母さんに…。
伝えないといけない…。
「ねぇ…母さん…。俺さ…。」
「うん。」
母さんがキッチンからリビングに出てきてソファーに座る。
「何度も言ったかもしれないけど…
亜紀さんに会わせてくれて…最期まで傍に居させてくれて有難う。」
「うん。いいのよ。」
「今から少しだけ…昔の話をしてもいいかな…。」
「うん。いいわよ。」
「亜紀さんが4歳の時に家を出て行ってから、すぐに母さんが家に来たでしょ?
あの時…本当は嫌だったんだ。」
「うん…。」