水曜日の彼女


「だから…父さんに【この人が2人の母親になってもいいかな?】って聞かれた時…亜紀さんが出て行った理由も分からないのに…冗談じゃないって思った。

でも…父さんのことが大好きだったから、父さんがそうしたいなら良いか…って、はじめはそれだけの理由だったんだ。

それに…母さんはその時の俺の顔を見て、作り笑いだって一瞬で分かってくれたんだ。



だから…その時は…『この人が母親ならいいか』って思ったんだ。


まぁ…その後…妊娠していることが分かって撃沈するんだけど…。」



朝陽の話に母さんが顔を逸らした…。

そして……



「朝陽…ごめんね……。」


小さな声で呟いた。


こんな事が言いたい訳じゃないのに…緊張して…話がうまく纏まらない…。



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