水曜日の彼女
「あ……いや……違うんだよ…母さん。
はじめは、そうだったって話。
奏汰が産まれてからも、父さんも母さんも3人平等に接してくれて…同じように愛してくれて、本当に感謝してるんだ。
母さん…。
俺…ずっと母さんに甘えてた。
自分が傷ついたから、何をしても…何を言っても…
優しい母さんなら許してくれるって…。
でも違う。
人間だから…ちゃんと心があるんだ。
どんなに俺の事を想ってくれようが…
どんなに【心のケア】に力を入れている人であろうが…
どんなに気丈に振舞っていても…心は痛むんだよ…。
俺…もちろん亜紀さんの事…大事だったよ。
でもね…母さんの事も凄く大切なんだよ。」
そう言って母さんの手を握る。