水曜日の彼女


放課後になり、いつも通り旧校舎へ向かった。


ガラガラとドアを開けると、もうその日の女が待っていた。




うん……。やっぱり美人だよな。




女は近寄ってきて、俺の首に手をまわすと


「森山くん。」


と甘ったるい声で囁いた。




そして、俺の眼鏡をソッと外すと、机の上に置いた。



俺はその女の腰に手を回し、キスをしようと顔を近づけたが…





一瞬……


昨日の玲菜の真っ赤な顔が脳裏をかすめた。




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