水曜日の彼女


私たちは亜紀さんの三回忌のお墓参りに来ていた。


お墓についた時には、既に朝陽のお父さんと、瞳さん、博斗くんが来ていた。



「すみません…遅くなってしまって…。」


私がそう言うと、瞳さんが


「私たちも今来たところよ。」


そう言ってニッコリ微笑んだ。




今日奏汰くんは、サッカー部の試合で遠征中らしい。


「結構奏汰…サッカーうまいんだよ。」


…と朝陽が嬉しそうに語っていた。

今度…近くで試合がある時は、一緒に見に行こうねって朝陽と約束している。




それから、お墓のまわりを綺麗にし、花を供えた。



朝陽が一番最後に墓石に手をあわせる。



随分と長いこと手をあわせると、目を開いた朝陽の顔は、とても穏やかな表情に見えた。




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