水曜日の彼女


~~朝陽side~~



大学院を卒業して3年が経ったある日。


家の近くのカフェで遼と待ち合わせをしていた。


先に中に入ってコーヒーを飲んでいると…



「おぉ~朝陽~久しぶり!」



スーツ姿に身を包み、胸元に赤と白のバッジを付けている遼が軽く手をあげて席に近づいて来た。



「遼…久しぶり~!」



高校の時はあんなに一緒に居たのに、最近ではお互いが忙しくてあまり会えなくなっていた。


遼は玲菜と同じ法科大学院に通い、司法試験を受けた後、司法修習生…という過程を経て…今は検事として働いている。


玲菜も同じ過程を経て…今は母さんの事務所で働いているんだ。




「そう言えば…今日裁判所で加藤さんに会ったぞ。

相変わらずバタバタ忙しそうだったよ。」



「そうか…。

絶対俺よりも遼の方が玲菜に会ってるよなぁ…。」



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