水曜日の彼女


「俺…小さい頃…暴力を受けてただろ?

大学院に行って…心理学とか…そういう勉強をすればするほど、そういったDVとか虐待の類って次の世代に連鎖する傾向にあるって…。


本当は…もっと早くから、玲菜との結婚の事を考えてたんだ。


でも…もし…


何かの拍子に玲菜や、自分の子どもに暴力を振るうことがあったら??


って考えたら…玲菜に結婚の話も出来なくて…。


婚約指輪を買ったまま…もう3ヶ月近く経ってる…。」




俺が小さい声で話し終わると、遼が真剣な表情のまま口を開いた。




「朝陽…お前…仮にも法務教官なんだぞ?

今担当してる奴が聞いたら泣くぞ?」




「そうだよな……。でも…不安なんだ…。」



< 366 / 375 >

この作品をシェア

pagetop