水曜日の彼女
「俺…小さい頃…暴力を受けてただろ?
大学院に行って…心理学とか…そういう勉強をすればするほど、そういったDVとか虐待の類って次の世代に連鎖する傾向にあるって…。
本当は…もっと早くから、玲菜との結婚の事を考えてたんだ。
でも…もし…
何かの拍子に玲菜や、自分の子どもに暴力を振るうことがあったら??
って考えたら…玲菜に結婚の話も出来なくて…。
婚約指輪を買ったまま…もう3ヶ月近く経ってる…。」
俺が小さい声で話し終わると、遼が真剣な表情のまま口を開いた。
「朝陽…お前…仮にも法務教官なんだぞ?
今担当してる奴が聞いたら泣くぞ?」
「そうだよな……。でも…不安なんだ…。」