水曜日の彼女
私は相槌をうつと、繋いでいる手を引っ張り、朝陽の身体を抱きしめた。
「馬鹿だな…朝陽。
そんな事…気にしなくても大丈夫だよ。」
そう言うと、私は朝陽の背中に回した手で、優しくポンポンと叩いた。
「朝陽は…誰よりも人の気持ちが分かってるじゃない。
幼い頃…色々あったかもしれない。
でも…何が辛かったかを知ってる。
それに…その後、沢山の人の愛情を受けることで、人の温もりがどんな気持ちにさせてくれるかも、ちゃんと分かってるんだ。
だから…朝陽は大丈夫だよ…。」
「玲菜……。」
朝陽が私の名前を呼ぶ。