水曜日の彼女
図書室のドアの外のガラスから、背伸びをして中を覗き込むと、
さっき私の前を横切った女の人と、森山くんが居た。
あの人…凄くキレイな人だな。
黒髪のロングストレートの髪に、スラッとした高い身長。
真っ白い肌。
大きな瞳。
私とは…全然違う…。
そのキレイな女の人が、森山くんのネクタイを緩めると、森山くんが眼鏡を外した。
そして女の人の腕が、森山くんの首に絡みつくと、本棚の奥へ二人で消えて行った。
二人の姿が見えなくなっても、私は…少しの間、その場所から動けなかった。
スゥッッと一筋の雫が頬を伝うと、その後…どんどん流れてくる涙を止めることが出来なかった。