水曜日の彼女
「それに…そろそろ朝陽って名前で呼びたいんだけど。」
そう言って彼女がキスをしようとする。
その彼女の口を俺の右手で押さえ、耳元で囁いた。
「契約違反…。お前とはこれで終わり。」
自分でもゾッとする程、低い声だ。
「……な…に…ソレ…。
本当に私とはヤるだけなの?
こんなに沢山身体を重ねてきたのに…少しも私の事…好きじゃなかったの?」
彼女の目から涙が溢れる…。
女の涙って嫌いなんだよな…俺…。
「初めから、そういう契約だったはずだよな?
会うのは水曜日の放課後だけ。名前は絶対呼ばない。俺に恋愛感情を求めない。
それが守られなくなった時点で、終わりだ。」