水曜日の彼女


それから…俺と博斗2人の、父さんと母さんに対する態度は一変した。


別に反抗するわけでも、口を利かなくなった訳でもない。

口出しさせないように、常に優秀な子供であるように徹した。



そして…1ヶ月に1度だけ…あの公園で亜紀に会うことが出来る日に、思いっきり甘えた。


それから数年が経ち、俺が小学校を卒業する頃。


博斗が公園に行くのを渋るようになっていた。



「博斗…。何で最近公園に行きたがらないんだ?」


すると、驚いたように博斗が目を丸くした。


「兄ちゃん…俺さ…。

正直…母さんを悲しませたくないんだ…。


産みの母親は亜紀さんでも…俺にとっての母さんは瞳さんなんだよ。」



俺が何も言えないでいると、更に博斗が話を続けた。



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