水曜日の彼女


「亜紀さんは…俺が2歳の時に家を出て行ったんだ。

どんな理由があったにしても…だ…。

それから何年も愛情持って育ててくれたのは、父さんと母さんだ。

その愛情を俺は…偽りだとは思わないよ。

俺たちを公園に連れて行く時の母さんの顔が、あまりにも悲しそうで耐えられないんだ。


俺は…母さんを悲しませたくない…。」


博斗が言う事も、もっともなことだと思う。


俺も…母さんが悲しそうな顔になるのを気づいていなかったわけじゃない。




それから…博斗は公園に行かなくなった。



中学校になってからは、亜紀も忙しくなったのか…なかなか会えない日々が続いた。





そして…いつからか亜紀は、父さんと母さんの悪口を言うようになっていてた。



母さんは亜紀の悪口を一度も言ったことがなかったので…それが嫌で仕方なかったが、気づかないフリをした。





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