水曜日の彼女
「…分かった。出て行くよ。
でも…1つ教えて欲しい。
亜紀さんは何で俺達を置いて、出て行ったの?」
俺が冷静に言うと、笑いながら亜紀が口を開いた。
「私が父さんと結婚してるのに、彼氏を作って、その彼氏があんた達に暴力をふるってたのよ。
一緒になって、私も殴ったわ。
だから…あんた達を守るために、あんたの父さんが離婚してくれって言ってきた。
お金もなかったし、離婚に応じないって言ったんだけど、離婚調停で私が負けたのよ。
その時の弁護士が、瞳さんよ。
さぁ…話したわよ。
これで満足でしょう?
さっさと出て行って!!」
そこまで聞くと、頭の中が真っ白になった。
少しの荷物と、母さんが入れてくれたお金を持って、アパートを飛び出したんだ。